1942年5月、ハリコフ奪回作戦に参戦する南方面軍121戦車旅団所属のT-60の搭乗員。 写真資料に基づき、戦車兵用作業服を着用せず、戦車帽とガスマスクを装備した姿を再現した。欲を言えば風防ゴーグルを再現すべきであった。 T-60に関しては別頁参照の事。 |
(写真と文章/赤いお母さん) |
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1936年型夏季戦車帽 大祖国戦争中、最も一般的な戦車帽といえる。 一口に'36年型と言っても、その形状には様々な違いがあり、時期的な物や生産工場の違いなどがあるのかも知れない。詳細については、知り得ていない。 側頭部に在るはずの通気用の鳩目が省略されたタイプを再現した。 フラップは折り畳み、耳当ての留具に挟み込んだ状態にしてある。通常はフラップをおろして顎下で留め、耳当ての留具には無線機のヘッドホーンを装着する。 1935年型兵下士官用夏季服 一般的にギムナスチョールカ(гимнастёрка)型と呼ばれる折襟のプルオーバータイプの軍服である。 このタイプの軍服は、既に1920年代より赤軍の主要な軍服として存在していた。無論、細かなディテールには違いがある。1943年に立襟タイプの、俗にルバーシカ(рубашка)型、ルバーハ(рубаха)型などと呼ばれる軍服に切り替わるまで、大祖国戦争中の赤軍兵士の軍服とされたのは1935年に制定された、このギムナスチョールカである。 補足: 1935年以降、公文書上ではプルオーバータイプの軍服は、立襟・折襟の区別無く、ギムナスチョールカ(гимнастёрка)と呼ばれた。 ルバーシカ(рубашка)はシャツや被服一般を、ルバーハ(рубаха)は上着を指す一般名詞に過ぎない。これを1943年型の立襟で肩章を着けるプルオーバータイプの軍服の名称として使用しているのは、日本のマニア/業者だけでの様であるが、よりイメージしやすくする為に、この俗称を本文中で用いた。 |
1940年型襟章 1940年に軍人の階級に改訂が行われ、それに合わせて襟章にも変更が行われた。 1935年に制定された兵下士官用の襟章では、兵科色の土台と縁飾が付いた襟章に、金色の金属製三角形に赤いエナメル仕上げの階級章が、階級に応じて打ち込まれるという物であった。 これが'40年の規定になると、兵科色の土台と縁飾りは変わらないが、兵科章が打ち込まれる様になる。更に上等兵(Ефрейтор)以上の階級では、大きめの金色の金属製三角形が襟章上端に打ち込まれ、赤線が中央に入る様になる。階級章は兵・上等兵には付かないが、下士官以上には'35年規定と同様の物が打ち込まれる。更には曹長(Старшина)では兵科色の縁飾の内側に、金色の縁飾が追加される。(補図01参照) 戦時において'40年型襟章は、保護色の物に替えられると思われるが、詳細については知らない。ただ、戦車兵などの服装に視認性の低下を欲求されない兵科では、常勤の色付き襟章を着用している事が多い。 ヴェノーフ同志による指摘追記: 「保護色の襟章は1939年頃から検討が始まり、1941年8月に正式に出現したようです。」 (参考文献:『Военная Одежда Вооруженных Сил СССР и России(1917 - 1990-е годы)』) |
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拡大すると辛い物があります。 |
補図01 |
ガスマスクポーチ 両側面にポケットのないタイプを再現。 これら装備品に関しての知識が乏しく、右記サイト(http://www.rkka.ru/)等の画像を参考にした。 このタイプのポーチは1932年規定の野外装備見本の写真等には使用されているが、いつ頃導入されて、いつ頃切り替わった物なのかは知り得ていない。是非とも御教授を賜りたいものである。 |
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兵用ベルト・キルザチー(кирзачи) ごく一般的な物を再現した。 長靴は兵隊用の、胴が代用革「キールザ(кирза)」製の物で、(再現してはいないものの)靴底は金属製の鋲が打ち付けてある様だ。大祖国戦争中には、底がゴム製の戦後と同様の製品も登場する様だ。 |
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ミニ・アート社が世に初めて送り出したフィギュアキットの一つ「休憩中のソヴィエト歩兵」を使用し、右腕と頭部は同社の別のキットから流用した。 このキット、原型のプロポーションは大変素晴らしく、また大きめの同社のキットの中では1/35に忠実で、AFV模型に絡めるには丁度良い。ただ金型技術はまだまだで、合いは悪いし、モールドも今ひとつである。プラスティックの質も悪い。しかしながら、フィギュアはプロポーションこそが全てであり、細かなモールドは作ってやれば良い。 ガスマスクポーチは、タミヤのキットから流用し、その他エポキシパテやプラ材等でディテールアップを施した。 塗装はいつもの通り、シタデルカラー・ヴァレホカラー・タミヤアクリルカラーで、ぺたぺたと。 |
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