1985年頃
アフガニスタンにて
哨戒所でウチョース機関銃を構える空挺兵



 アフガニスタン紛争中期以降で、駐屯地や哨戒所の歩哨としてNSVS12.7mm機関銃(ウチョース機関銃)を構える空挺兵という設定。

 使用したキットはICM社製「ソビエト特殊部隊」。このセットにはフィギュア三体と、ウチョース機関銃が入っています。
 キットではウチョース機関銃を構えるフィギュアは座った姿なのですが、立った姿の機関銃手を再現したかった為、本来はドラグノフ狙撃銃を持っているフィギュアを改造して使用しました。




軍装と武器の設定

 軍装は上から、KZSの端切れで作ったヘルメットカバーと68年型ヘルメット(СШ68)、鹵獲した中国製五六式胸掛けマガジンポーチ、81年型防弾ベスト(6Б2)、二色迷彩の網製保護服KZS(КЗС)、空色と白のチェリニャーシュカ(ボーダーシャツ)、85年型青色トランクス、支給される青色靴下、自前で購入した(トビリシ製?)アディダスです。
 武器はNSVS12.7mm機関銃(НСВС12,7)と、折り畳み式銃床に携帯包帯を挟み込んだAKS74突撃銃。

 軍装の設定はキットを尊重しつつ、『偵察兵の戦争』などの写真、各種資料を参考に決めてあります。


フィギュア本体の改造

 使用したフィギュアは前述した様に狙撃兵で、両腕のみ機関銃手の物を使用しました。
 下半身のポーズが今ひとつでしたので、削り込んだ後にエポキシパテで隙間を埋めて変更しました。バランスや靴下を極力露出させたかった事もあり、足首を少し伸ばしてあります。
 右手もキットの状態では、機関銃のグリップまでモールドが施されてあるので、親指・人指指を残して削り取り、エポキシパテで作り直しました。ただ、機関銃側のグリップを削り取って、モールドを生かしてやれば良かったかな・・・とも思っています。作業効率的には変わりなかったので。
 

この画像を撮影後、しわのモールドを2回ほど作り直しています。


軍装のディテールアップ

 軍装品のディテールアップを装備ごとに紹介します。

 ヘルメット:
 キットの物に溶きパテでヘルメットカバーを、プラペーパーで顎紐を取り付けてあります。

 KZS:
 まず下半身はシルエットが気にくわなかったのと、ポケットホールが無かったので、初めから作り直しました。モールドを削り落とした後に、エポキシパテと溶きパテで作ってあります。
 両袖はエポキシパテを用いて、折り返しを再現しました。袖裏のボタンをプラ棒で、二の腕のボタン留めを溶きパテで加えてやりました。
 メッシュ素材を表現したかったのですが、今回は時間が無くて出来ませんでした。今後の課題という事で。

 防弾ベスト:
 プラペーパーで、両脇のベルクロ式の留帯を加えてあります。

 胸掛けポーチ
 背中で交差させる負い紐のモールドから考えて中国製を再現していると考え、それを尊重しました。
 キットではマガジンポケット三つと、小さめのポケットが左右に一つずつ付けられていましたが、左右のポーチの数と形が違うので削り落として、エポキシパテで再現。留め具は溶きパテで作ってあります。
 また胸掛け部分全体幅も大きすぎるので削って小さくし、それに合わせて負い紐などのモールドを削り落として作り替えました。負い紐はプラペーパー、Dリングは0.3mm真鍮線、背中の留め紐はエポキシパテを使っています。

 スニーカー:
 左側の靴が左右逆を履いてるがごとき形状でしたので、エポキシパテで爪先を修正してあります。


武器のディテールアップ

 特に特別な事はしていません。

 が、ウチョース機関銃が大変でした。はっきり言って説明書では分からない事だらけです。『偵察兵の戦争』の写真や、同志から提供された写真、説明書の図版などを基に組み立てました。一部加工を施す必要がある部分や、写真によっては取り付けられていないパーツがあったりします。
 例えばバレルと銃座の連結金具が上部部品しかなく、側面・下部部品をプラペーパーで足してあります。しかも解説書の図版では上部部品の左右が逆に成っています。(赤丸部分)
 また台座とトライポッドの連結周りは部品の角度が違うので、曲げたり、取り付け角度を工夫してやる必要が在ったりします。(青丸部分)
 弾薬箱は機関銃に取り付ける事も出来ますが、機関銃と銃座との取り付け方が悪かったらしく、かなわぬ夢と化したので、横に並べました。ちなみに右側面(画面右側)のモールドはいい加減なので削り落とし、写真を基にプラペーパーと0.3mm真鍮線で作り直してあります。
 AKS74は銃床にエポキシパテの破片で作った携帯包帯を挟み込み、0.3mm真鍮線と紙でスリングを取り付けました。
 ただドラゴン社製の物もそうですが、1/35にしては少々大きめなのか、スリングは長目にしないと足りなくなります。


塗装

 塗装はシタデルカラー(水性アクリル)を用い、最後に田宮ウエザリングマスターで少々埃を付けてあります。

 水性アクリルカラーで塗る際には、水で希釈して重ね塗りをしていきますが、こうすると表面がなめらかになってしまい、若干の艶が派生してしまいます。特に今回はメッシュ素材のKZSでしたので、この点が仇になりました。表面処理をもう少し考えないといけませんね。

 後は手持ちのカラーでは、なかなか望む色が出せなくて苦労しました。諸事情があってカラーを買いに行けなかったのですが、アンドレアカラーかヴァレホカラーで良い色を買い足しておく事にします。



ディオラマ

 簡単にディオラマについても記してまとめとします。

 ベースは東急ハンズで買った直径100mmのデコパージュの台に、直径80mmのツゲ材を接着し、ニス塗りしました。
 土の部分はシーナリーサンドのベースに、プリックタイル(後述)の粉を水で希釈した木工ボンドで固定。積み上げた岩はプリックタイル(内装で用いる軽量タイル)の小さな物を使用。全体をシタデルカラーで塗装してあります。
 12.7mm機関銃弾の空薬莢をプラ棒で作って、所々に蒔いてあります。

 ともかく時間がなかったので、かなりのやっつけ仕事です。
 実は「元気堂」の第九回AFVコンテストに応募したのです。


(赤いお母さん)

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