1980年代初頭
赤旗勲章受賞東部国境警備管区(КВПО)
オシ国境警備隊隷下の国境守備隊にて
守備隊当直の任に就く兵長




 


国境警備兵(Пограничник)

 このフィギュアの状況設定は、1980年代初頭の「赤旗勲章受賞東部国境警備管 区(КВПО:Краснознамённый Восточный Пограничный Округ)」の「オシ国境警備隊(Ошский Пограничный Отряд)」(キルギス共和国西部に配備)隷下の国境守備隊(Пог раничная Застава)の守備隊当直の任に就く兵長(Ефрейтор)をイメージしました。

 設定に基づいて、国境警備兵のフィギュアは上から、1969年型で緑色の頂部・濃青色の鉢巻部・赤色のパイピングを持つ国境警備軍用の兵用フラーシュカ、「3303」生地の1969年型野戦服、AKS74とスリング、常勤用のベルト、AK74用の銃剣とマガジンポーチ、「キルザチー」と呼ばれる模造革の胴を持つ長靴を着用しています。
 さらに1969年型野戦服には国境警備軍を示す緑色の襟章(自動車化射撃兵の兵科章付)と肩章(国境警備軍を示す「ПВ」の黄色の文字と兵長を示す1本の黄色の細いリボン付)が縫い付けられ、左上腕部には「守備隊当直(ДЕЖУРНЫЙ ПО ЗАСТАВЕ)」と白文字でステンシルされた赤色の腕章を巻き、左胸にはコムソモール(共産青年同盟)員章、右胸には下士官兵用の1級専門家胸章と戦士・スポーツマン胸章(ほとんど見えませんが)を付けています。襟の内側には白木綿の襟布を縫い付けています。
 AKS74は折畳みストックの内側に個人用繃 帯包をはめ込み、その上からゴム製の止血帯が巻いてあります。左手には「パピローサ」というロシア式の吸口付き紙巻きタバコを持たせています。





 使用しているキットは、すべて1:35のインジェクションキットで、設定に合わせて改修しています。

 フィギュア本体がアランゲルの「内務人民委員部部隊:対テロ 特務隊“スメルシュ”、1944年8月」のもの、AKS74がICMの「ソヴィエ ト・アフガン戦争(1979‐1988):ソヴィエト工兵」のもの、AK74用の銃剣とマガジンポーチがドラゴンの「ソヴィエト・スペツナズ」のものを利用しています。

 アランゲルのフィギュアは若干大きめで1:35だと身長189センチになりますが、ソ連兵の中にはそのような人もいますので問題はありません。ただ、アランゲルのキットは1943年型野戦服を着ていますので、これを1969年型野戦服にしなければなりません。帽子も1969年型にしなければなりませんので、仕方なく自作しました。また、乗馬ズボンの膝当てを少し細めに直してやらねばなりません。 しかし、このキットは原型師による表現が素晴らしく、顔や腕やズボン、とくに長靴のモールドが秀逸なので、それらを最大限に尊重しています。
 ICMのAKS74も素晴らしい出来で、銃口のサプレッサー部に少し手を加えただけです。
 ただ、ドラゴンの銃剣とマガジンポーチは、古いキットであるために若干の改修が必要です。とくに銃剣は通常とは逆に鞘に入っていますので修正してやらねばなりません。


 キットの内包品(ランナーも含む)以外に製作に用いたものは接着剤とプラペーパーとタミヤパテとマスキングテープです。
 フラーシュカや帽章や胸の徽章類、ボタンやベルトのバックル、台座の地面もタミヤパテで造形してあります。塗装はフィギュ アも地面もすべてアクリルガッシュで行っています。

 台座の側面には、タイトルプレートを付けるかわりに、裏足が折れたジャンク品を生かす目的で、実物の自動車化射撃兵の兵科章を付けてみました。

(ワレンチン・ヴェノーフ)


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