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ウォリアー(アメリカ)社製 レジンキット 1/35 設定:第二次世界大戦の国民党戦車兵 中国国民党軍の戦車搭乗員と将校のセット。 一応は時代設定を第二次世界大戦(1939-45)としているものの、完成見本でドイツ一号戦車に搭乗させていると言う事は、日中戦争(1937-45)も念頭に置いているものと思われる。というのも、中国が保有する雑多な輸入戦闘車両(一号戦車も含む)は、歩兵支援の為に各戦線で分散使用され、1937年の時点でほぼ壊滅してしまっている。しかも1938年にソ連T-26軽戦車を中心とした第200機械化師団が編成された時点で、これら残存車両は訓練用に回されてしまった。 因みに第200機械化師団は、ソ連の軍事顧問の下、T-26軽戦車(90両)とBA-10(50両)、及びその他の車両60両で編成された。1940年に訓練を完了し、実戦部隊へまわされた第200機械化師団だったが、1940年11月から1941年1月にかけての南寧での戦いで壊滅する。 その後、中国の機甲部隊が再び編成されるのは、1943年に米国の支援によってである。 国民党軍の軍装は、中山服式の軍服と特徴的な帽子を基本としつつも、その時々の支援物資や捕獲品を一部分に、あるいは全部に使用している。これは戦車兵の軍装も同様である。 国民党軍の戦車兵は、おそらくイタリアから支給されたと思われるワンピース型の服を着用し、ドイツとイタリアの戦車帽を使用している。 ただ国民政府はドイツ・イタリアの他に、フランス・イギリス等からも戦闘車両を輸入しているので、戦車帽は戦車の備品として付属していた可能性が高い。また第200機械化師団では、戦闘車両と共に、ソ連の戦車兵用軍装品が支給されたと思われる。1943年に米国の支援以降は、米国製の軍装を同様に身につけているし、日本降伏後は捕獲品を使用してさえいる。 参考資料 三野正洋 『わかりやすい日中戦争』 光人社 1998 Philip Jowett 『Men-ar-Arms 424/The Chinese Army 1937-49』 Ospre 2005 |
さて肝心なキットの中身です。 左の将校は、ドイツ製M35ヘルメット、スタンダードな国民党軍の将校服と拳銃ホルスター付将校ベルト、革脚絆、将校用革靴。 右の搭乗員は、スタンダードな国民党軍の軍帽を被って、服は何なのか良く分かりません。ボタンが露出していないので、中山服型の軍服では無さそうです。腰はベルトではなく、紐か帯を結んでいます。外国製の戦闘車両搭乗員のツナギ服をイメージしているのかも知れません。 レジンキットとしては、気泡も無いし、抜きとしては良好です。 ただ原型は、昨今のヒートアップしたヒストリカルフィギュアのレベルでいえば、少し見劣りがしてしまいます。全体的に堅い感じがしますし、シワの表現力も甘いかな。それとヘルメットのストラップが無いのは何故だろう・・・? とはいえ顔の造形も中国人に見えなくもないし、まずまずの出来では無いでしょうか。貴重な中国軍物のキットですしね。絶賛はしませんが、買いです。 |
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(赤いお母さん) |
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ドラゴン(香港/中国)社製 インジェクションキット 1/35 |
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ドラゴン(香港/中国)社製 インジェクションキット 1/35 |
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ドラゴン(香港/中国)社製 インジェクションキット 1/35 |
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ドラゴン(香港/中国)社製 インジェクションキット 1/35 |
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